最近ではお墓管理の面倒さや費用を抑える指向が高まりを見せていることから、樹木葬のニーズが高くなってきました。墓石を置かないで樹木の根元に遺骨を埋めて、数十年経過すると永代供養碑で合祀されるというのが一般的でした。ところが最近では自然志向の人が増えてガーデニング霊園なども登場するなど樹木葬のあり方も多彩になりつつあります。そこでここでは樹木葬一般の特徴や費用をふまえつつ、それぞれのメリットとデメリットを御紹介しようと思います。
お墓の問題については、将来、避けていてもいつかは考えなくてはならないことです。こうした悩みの声やニーズに応えられるものとして、最近では「永代供養」と「永代供養墓」というキーワードが注目されてきています。
https://manabi-mirai.mext.go.jp/search_program/detail/002447.html
注目を集める樹木葬とは
一般的な樹木葬といえば、自然を感じることが出来ることをイメージにシンプルに考案実用化されてきました。具体的には墓石の変わりに樹木を植栽したり、納骨場所の周りに草花が植わっているといったものが典型的です。遺族は参拝時には、目印となる樹木の元に訪れて合掌することになります。
樹木葬の一番の特徴は、お墓を承継する必要がない永代供養であることが一般的である、という点です。
永代供養とは遺族の変わりに霊園が供養や日ごろの管理をしてくれるというものです。これに対して従来の墓石による供養では、「祭祀管理者」が代々供養や日ごろの管理を担当しなければなりませんでした。子供が独立し遠方で生活の本拠をおき、実家に移り住む予定もない場合は、近隣の親族にでも依頼しない限り最終的には管理放棄の状態に置かれたままのことも珍しくありません。しかもお墓の移転自体も手間も費用もかさむたことから樹木葬に関心が集まることになったわけです。
樹木葬を選ぶことのメリットとデメリット
樹木葬のメリットのなかでも関心を集めるのは、費用の安さにあります。従来型の墓石を製作・現場に設置するスタイルでは一般的に100万から350万ほど必要です。デザインや素材にこだわれば、事実上上限がないとも言えます。これに対して樹木葬で見込める費用は、20万から80万ほどの価格帯に納まるのが大半です。樹木葬の費用相場は埋葬する人骨の数に左右され、ひとりであれば20万ほど・二人であれば40万、3人以上になると60万円以上といった金額が相場です。墓石供養する場合を想定するとかなりリーズナブルです。その理由としては、石材を大量に使用しないことと、納骨できる人数には上限が設定されている、この二点に集約することができます。
ただし従来どおりのお墓で将来も管理を希望する方や、快適な室内での参拝を希望するような向きには樹木葬は必ずしも向いていると歯限りません。このあたりをどう評価するかもポイントです。
ガーデニング霊園とは
樹木葬自体はかなり普及しており、墓の代表的なスタイルの一つとして定着した感があります。従来の樹木葬ではデザインよりも自然をいかに体感できる環境づくりをするか、に焦点が置かれていたといえるでしょう。ところが最近では樹木葬の現在的展開としてガーデニング霊園も登場しています。
ガーデニング霊園とは、周囲が花園で囲まれたようなデザイン性を重視した樹木葬のことです。自然を基調にしつつも、西洋風の石畳で遊歩道が整備されていたり、レンガ造りのエクステリア・豊富な種類の草花が咲き誇る庭園スタイルなどが代表的なスタイルといえます。従来の樹木葬とは異なり、個別に墓碑をたてて周囲を草花で彩ります。敷地全体はひとつの庭園でデザインされており、霊園とは思えないほど華やかで温かみを感じることができます。周辺の環境はもちろん異なりますが、従来の墓石が立ち並ぶ無機質な霊園のイメージからは大きく異なる印象を受けるのが特徴です。
ガーデニング霊園のメリットとデメリット
最近普及しつつあるガーデニング霊園、季節によりおりおりの草花が咲き誇り、あたかも綿密に整備された公園を訪問するかのように錯覚することもあります。とはいってもガーデニング霊園にもメリットだけでなくデメリットもあります。
まずガーデニング霊園のメリットと指摘することができるのは、交通アクセスが良好な場所に整備されていることが多いことです。これは従来の公園型樹木葬をベースにしているため、当然年型の生活を送る方をコア層に設定していることによります。また従来型の墓石や樹木葬に比べると、デザイン麺でのこだわりを表現できることもメリットです。つまり墓碑に自分らしさを表現できる訳です。
他方でデメリットとしては、費用がやや嵩むということです。樹木葬では費用の安さが意識されましたが、ガーデニング霊園では墓碑を設置するので、その分費用が加算されます。したがってリーズナブルさという点では従来の樹木葬より見劣りするのは確かです。
まとめ
最近では少子高齢化の影響で従来のお墓の管理が難しくなり、樹木葬へのニーズが高くなっています。都市部に居住する方に特に人気で、公園型樹木葬霊園では一人当たり20万円程度というリーズナブルな費用の安さと交通アクセスのよさはメリットです。さらに最近では霊園全体を公園のように一体整備されたガーデニング霊園も注目を集めるようになりました。従来の樹木葬とはことなり、墓碑を設置するものの季節の折の草花が咲き誇ることから自然志向の方にも人気です。